withコロナ時代に従業員に対して求められる企業の対応とは?【従業員満足度調査】

最終更新日:2020/10/30

「リモートワーク」「時間差通勤」など、新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに、多くの企業で働き方や働く環境を見直す動きが進んでいます。今回はインターネット調査を通じて実施した「コロナ禍における勤務先企業の対応についての満足度調査」の結果をお伝えいたします。各社の具体的な取り組みについてもご紹介しておりますので、本調査がwithコロナ(アフターコロナ)時代を見据えた従業員満足度向上へつながる一助となれば幸いです。

コロナ禍における勤務先企業の対応について、約60%が満足と回答

自分が勤務している会社のコロナ禍における対応について、約60%の人が「とても満足している」「満足している」と回答しました。一方で「どちらとも言えない」が約15%、「不満に感じている」「とても不満に感じている」が約25%という結果となり、過半数の人が勤務先企業でのコロナウイルス感染症への対応について満足していることがわかりました。

勤務先企業におけるコロナ禍への対応満足度

コロナ禍における勤務先企業の対応への満足度
  • とても満足している:18.90%
  • 満足している:41.46%
  • どちらともいえない:15.85%
  • 不満に感じている:15.24%
  • とても不満に感じている:8.54%

コロナ禍における従業員満足度を高めるための取り組みとは?

ではコロナウイルス感染拡大防止への対策として、どのような取り組みが従業員満足度の向上につながっているのでしょうか?「とても満足」「満足」と回答した人のコメントを見てみましょう。

リモートワーク・在宅ワークの導入(出現率:58.6%)

緊急事態宣言が発令されるとすぐに、通勤時や勤務時間帯の接触や感染を防ぐために在宅勤務が実施されました。コロナ禍までは家族に介護が必要なものにしか認めていなかった在宅勤務を全社的に実施し、緊急事態宣言が解除された後も、働き方改革の一環として在宅勤務を継続しています。(50代男性/製造業/生産技術)
緊急事態宣言が出てからすぐ在宅ワークになり、基本的に会社には仕事がある時だけ出勤、ミーティングなどは全てスカイプで行なっていました。約2ヶ月半の在宅ワークでした。(20代女性/生命保険/営業)
コロナが蔓延し出した4月すぎあたりからすぐに自宅勤務となりました。その後もほぼ会社に出勤することなく業務を行うことができており、通勤によるコロナ感染をきちんと食い止められていると思います。さらに現時点では2021年の2月ごろまでは自宅勤務を継続するとの連絡がありました。これにより第三波が押し寄せると言われている冬を通勤なしで過ごせるのは本当にありがたいです。(30代女性/IT/営業)

マスク・除菌グッズ等の備品提供(出現率:37.4%)

新型コロナウイルスが発生した2020年1月頃からマスクや除菌関連の需要が上がり、確保も難しい状態でした。それでも、この会社は販売用商品よりも優先して従業員用のマスクや手指消毒のスプレーを確保してくれました。またお客様の安全を守るために、店内の消毒手順を示したマニュアルを作成し、今までに従業員の感染者も0で健康に過ごせています。(20代男性/小売/事務)
コロナ緊急事態宣言前から、検温・アルコール消毒・マスクなどを会社で用意して、社員の安全を守った上で業務に取り組ませてもらいました。休業もなく、いつものとおりに仕事ができ、給料が減ることもなければ、人員削減もありません。また社員食堂も席を空けるなどの対策をとっていました。(20代女性/製造業/事務)
正社員、パート、更には派遣社員の分までマスクや消毒ジェルの配布などを無料でしてくれました。しかもマスクが追加で欲しい場合は給与天引きで安価でマスクを融通してくれました。ほかにもコロナ渦の緊急事態に備え、正社員に関しては有休休暇日数を大幅に増やしたり、時短勤務・時差出勤など柔軟に対応してくれました。(30代女性/物流/事務)

時間差出勤の導入(出現率:16.2%)

コロナが流行りだしてから、テレワークを積極的に取り入れてくれました。テレワークできる人は基本的にテレワーク、出社する人も時間差出勤を取り入れています。(30代女性/製造業/事務)
時短勤務や時差勤務をすぐに取り入れてくれました。会社自体が勤務形態や時間についてよく考えてくれたと感じています。(30代女性/物流/事務)
対面で行う事業がほとんどなのでそもそもテレワークが不可能であり、在宅で仕事をすることは全くありませんでした。しかしながら時差出勤を行うことで、職場内が密にならないように工夫がされています。(20代男性/協同組合/経理)

検温の徹底(出現率:15.2%)

コロナへの対応について、大袈裟すぎず、適当だと思います。毎日の体温測定の徹底、手洗いうがいの励行、また事務所のデスクには飛沫飛散防止の衝立があります。(50代女性/製造業/事務)
コロナ第一波時、早急に対応し在宅勤務になりました。在宅勤務時も毎日体温を計り上司に連絡、職員の安全面も気にしながら、極力お客様と対面せずに仕事ができるようにしてくれました。(20代女性/生命保険/営業)
販売員はマスクを着用して勤務し、出勤前の検温も徹底されています。本部でも不必要な出張や会議、集合研修がなくなりオンラインで実施しています。(30代男性/小売業/販売)

満足度を下げてしまう可能性のある対応について

一方で、勤務先企業の対応について「とても不満に感じている」「不満に感じている」と回答している人は、なぜそのように感じているのでしょうか?

主に「従業員のコロナ感染症対策への意識が低い」「会社としての対応が遅かった」「上司・部署の意向でリモートワークが取り入れられない」「マスクが義務化されているにもかかわらず、会社からの手当てがない」といった意見が挙げられました。

コロナへの事務所の社員の意識が低い。トイレや洗面所には石鹸がポンと置いてあるだけで、除菌スプレーは常に液切れ状態で補充が遅い。(40代男性/運送/ルート配送)
売り場の新型コロナウイルスへの感染予防対策の実施が非常に遅かったです。マスクやビニール手袋の配布が開始されたのは夏過ぎでした。(40代女性/小売業/レジスタッフ)
マスクをしていない人がかなり多く、テレワークの実施も進んでいません。各部、半数の出勤率になるようにとの一応の通達は出ているものの、そもそもテレワーク自体が禁止されている部もあり、全く守られていません。(40代女性/コンサルティング/営業事務)
出社時は必ずマスクを着用するよう通達があったものの、マスク代の補助はなく、自己負担となっています。義務化するのであれば手当を出してほしいです。(20代女性/製造業/営業事務)

おわりに

従業員の立場から見た、コロナ禍における勤務先企業の対応への満足度についてご紹介しました。本調査をきっかけに、withコロナ(アフターコロナ)時代を見据えた、従業員満足度向上の取り組みにつながれば幸いです。

調査概要

  • 調査方法  :インターネットを利用したアンケート調査
  • 調査内容  :コロナ禍における勤務先企業の対応についての満足度調査
  • サンプル数 :164名
  • 調査期間  :2020年10月21日(水)~10月29日(木)
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