競走馬の育成ってどんな仕事？年収・やりがい・将来性について

私の仕事は競走馬になるべく生まれた子馬の世話をすることです。子馬の世話といっても生まれてから半年～9ヶ月ほど経ち離乳した子馬を秋口から1年間ほど世話をします。

そのあとは私たちの手を離れ、人を乗せて調教する厩舎に移動します。この時の主な仕事内容は子馬を放牧地に放牧し、管理することです。言葉で説明すればこれだけですが、子馬が健康に育つようにそれぞれに合うような餌やりや個体管理をしながら、放牧地の管理もします。

私たちの世話をする子馬は人間に例えれば幼稚園児のようなもので、私たちはその先生に当たると言ってもいいでしょう。まだまだ親元を離れて幼い子たちが心身共に成長できるように面倒を見ています。

やりがいはやはり自分達が関わった馬が競走馬になり、レースで活躍してくれることです。私たちが関わった馬がレースでデビューするまでに最短でも9ヶ月程度の時間を要します。無事にデビューできて、その後大きなレースなどで優勝してくれたときにはあんなに小さかった子が立派にレースで活躍してくれているのかと思うと、とても嬉しくなります。自分達のしたことが少しでもそのためになってくれているなら嬉しいなと思います。

生き物を扱っているせいか、休みは一般企業と比べて少ないです。私の会社は比較的業界内でも大きい方なので、休みは週に1日はありますが、祝日や土日も私たちには関係なく仕事があります。

給料も月収は業界内でも大手の私の会社ですら、一般企業の平均よりも低いです。ボーナスはその年の競馬の成績に左右されるので、毎年変わったりします。

あとやはり汚れる仕事のため、厩舎の独特な臭いや動物の臭いなどがつき、仕事後は人に会いにくいです。

やはり第一に馬が好きなことだと思います。競馬が好きで入社してくる人も大勢います。この仕事は生き物相手ということもあり個体差もあるので、マニュアル通りにいかないことがかなりあります。相手は言葉をしゃべらない動物なので、馬は何を考えてその行動をとったのかこちらも想像して接する必要があります。

ただ、馬好きや競馬好きなだけでは絶対に勤まらないと思います。馬や競馬が好きなことに加え、一般企業と違って休みや月収が少なくてもやり抜く覚悟がある人が向いているでしょう。

あとは牧場自体は敷地面積が広く、周りに何もないことが多いので、閉鎖された空間になりがちで仕事仲間以外にあまり関わることがないそういう環境でもやれる人も向いていると思います。

あまり将来性があるとは思いません。

今のところ、すぐに競馬自体がなくなるということはありませんが、やはり日本では競馬はスポーツというよりギャンブルという印象だと思うので、それにお金を出してくれるお客さんが少なくなれば必然的に私たちの仕事も停滞していきます。昔よりも競馬場に来るお客さんは少しずつ少なくなっていますし、十何年先にこの業界がどうなっているのが分からないので、将来性があるとは言えないと思います。